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成年後見と不動産処分

成年後見と不動産処分

 今、豊かな食糧事情や医学の進歩によって、我が国は世界に例を見ないスピードで超高齢化社会へと突き進んでいます。平成27(2015)年には「ベビーブーム世代」が前期高齢者(65~74歳)に到達し、その10年後(平成37(2025)年)には高齢者人口は(約3,500万人)に達すると推計されています。

 そして、これまでの高齢化の問題は、高齢化の進展の「速さ」の問題であったのが、平成27(2015)年以降は、高齢化率の「高さ」(=高齢者数の多さ)が問題となります。

 また、高齢者の増加に伴って、認知症高齢者数が、2025年には約320万人になると推計されていて、今後、認知症高齢者が急速に増加すると見込まれています。

 そのせいか、最近、認知症を発症した方の生活費や医療費、介護費用に充当するための不動産売却が増えてきています。しかし、不動産を売却して、それらの費用に充てようとしても本人の意思確認ができない場合は、売買契約自体ができません。契約を有効に成立させるためには、当事者に正常な判断能力があることが、大前提だからです。

 親族が認知症を発症した方の実印や権利証を用意すれば不動産の売却はできると思っている方もあるようですが、登記に必要な書類が揃っても本人の意志確認ができていない以上、有効な所有権の移転とはなりません。仮に、契約が後日、無効となった場合は、買主は買った不動産の所有権を失うことになります。

 高齢化社会が進み、今後はこのような状況のもとでの不動産の売却が増えてくることが予想されますから、その対策を知っておく必要があります。

 こうした場合の対策は、判断能力が失われる前と後では違います。

 すなわち、判断能力が失われた後は、原則として配偶者、子、兄弟姉妹などの親族が家庭裁判所で成年後見人を選任してもらうための手続きをすることが必要になります。

 成年後見人はご本人の代理人としてご本人に成り代わって、その意思表示することが役目です。そして、売却しなければならない不動産がご本人の居住用の不動産であった場合は家庭裁判所の許可が特別に必要になります。

 このとき、家庭裁判所ではご本人のために当該不動産の売却が本当に必要と判断できた場合にのみ許可を出すことになっています。売却の理由がご本人のためにならない場合は許可が出ないのです。

 一方、まだ、判断能力が失われる前の場合は、任意後見契約という契約を締結しておくことができます。任意後見契約とは、信頼できる人に自分の判断能力が失われたときに後見人になってもらうことを予め決めておく契約です。

 任意後見契約は契約ですから、任意後見に頼む事項は基本的に本人と将来、任意後見になる人との間で、取り決めます。そこに不動産の処分を含めることもできます。

 現在のところ、この制度を利用する人は、そう多くないようですが、制度のメリットやリスクを良く理解して利用すれば、自分の判断能力が失われたときにも、自分がこうありたいと考えることが実現できるわけですから、利用価値はあるものと思われ、今後は利用者も増加するのではないでしょうか。

 いずれにしても、成年後見制度によって不動産を処分するには、その手続きや処分の方法を理解する必要があります。

[check]Q1 父が亡くなり相続が発生しましたが、母は認知症で判断能力を失っています。相続人は私(長男)と母、姉の3人です。まず、どうすれば良いのでしょうか? 

 相続人の中に認知症で判断能力を失った方が居られる場合には、そのまままでは、有効な遺産分割協議はできません。したがって、遺産分割協議によってお父様の遺産を分ける場合には、お母様に家庭裁判所で後見人等を付けてもらうことが必要です。

 また、遺産分割協議に際しては、お母様と他の共同相続人(この場合は、長男さんとお姉さん)は、利益相反関係になりますから、共同相続人が後見人になった場合は、別途、特別代理人を選任する必要が生じます。

 なお、お父様の遺産をたちまち処分する必要がなくて、遺産分割協議によるのではなく、法定相続分(この場合は、お母様2/4、長男さん1/4、お姉さん1/4)による共有状態で相続する場合は、後見人等を選任する必要はありませんが、この方法を取ることが良いのかどうかは、税金面、遺産活用の面その他、全体をよく考えたうえで、決定する必要があります。

[check]Q2 独居で高齢の母の認知症がひどくなってきて、一人暮らしが困難になってきました。そこで、担当のケアマネジャーさんから、グループホームへの入所を奨められていますが、入所やその後の費用を捻出するため、母が住んでいる母名義の土地建物を処分する必要があります。どうすれば、良いのでしょうか?

 認知症高齢者の独り暮らしには、何かと危険がつきまといますので、ご心配ですよね。

 この場合、まず、家庭裁判所で後見人等を選任してもらう必要があり、後見人等の選任手続きには、医師の診断書や戸籍関係、お母様の財産目録等の書類が必要になりますので、まず、これらの入手から始める必要があります。

 また、後見人等の選任手続きに際しては、後見人等の候補者を決めて申し立てするのが普通です。親族間に特に紛争がなく反対する人もないのであれば、息子さんや娘さんなどの近親者が後見人等になってもらえば良いでしょう。

 申し立てから後見人等の選任までに要する期間は、最近、以前より早くなっていて、精神鑑定が必要なくて、その他にも特に問題のないケースでは、平均2ヶ月前後となっています。

 また、後見人等が選任された後に、居住用不動産の売却ということですので、別途、家庭裁判所の許可を得る必要があります。今回のようなケースでは、ご本人(この場合は、お母様)の身上監護のために必要という理由であれば、許可はすんなり出るものと思われます。

成年後見と不動産の問題をトータルでサポート

 当事務所の代表者は成年後見の法律のプロである行政書士です。根来行政書士事務所では、成年後見と不動産のコンサルティングとを併せて、お客様に一貫したサービスがご提供できると自負いたしております。

 当事務所では、成年後見と不動産の問題全般についてのコンサルティングを行っています。ご相談は、根来行政書士事務所 電話番号077-554-3330まで!

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