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低額譲渡と税金問題

低額譲渡と税金問題

 親族間の不動産売買をサポートする場合、低額譲渡による課税問題との格闘がついてまわります。

 よく、「どれくらい相場と乖離すると低額譲渡に該当するのか。」というご質問を受けますが、これが一概に言えません。まして、不動産の相場自体が固定的なものではありませんから、実際、いくらだったらセーフというのは難しいのです。

 そこで、参考になる裁判例がありますので、ご紹介いたします。これは、平成19年8月27日に東京地裁であった親族間で土地を時価の約80%で売買した際、時価との差額に贈与税がかかるか否かが争われた訴訟の判決です。

 この判決では、「時価の約80%での売買は著しく低い価格での譲渡に当たらず贈与税課税は違法」として東京国税局の課税処分を取り消しました。

 この裁判は、夫が土地を購入してから数年後に、その一部をその妻と子にそれぞれ時価の約80%で譲渡したことに対して、税務署が売買価格と時価の差額(約20%)が贈与に当たるとして、妻と子に贈与税と加算税を課税したので、これを不服として妻と子が課税処分の取り消しを求めたものです。

 相続税法では、親族間で不動産を、(無償も含めて)低額で譲渡されて、将来、相続税が課税できなくなることを防ぐため、贈与税という税をわざわざ設けています。

 そこで、著しく低い価額の対価で財産を譲渡した場合、原則として時価との差額に相当する金額を贈与があったものとみなして、譲受人に対して贈与税を課税することにしているのです。

 著しく低い価額の対価での譲渡に当たるかどうかは、個別具体的に、その売買の事情や売買当事者間の関係等を総合的に検討して、実質的に贈与を受けたと認められる金額があるかどうかが税務当局によって判定されます。

 この裁判で東京地裁は、相続税において評価の基準となる路線価が、宅地の場合は時価の概ね80%で評価されることから、路線価水準(時価の80%)の価格で土地を売買したこのケースは、「著しく低い価格の譲渡」に当たらないという理由で、贈与税の課税処分を取り消したのです。

 ただし、この判決では、このような結論となったのですが、前述のように、低額譲渡に当たるかどうかの判断は、あくまで、個々の取引の事情や売買当事者間の関係等を総合的に検討することで、結論が出されるものであるため、時価の80%での譲渡が、いつも「著しく低い価格の譲渡」に該当しないとされるわけではありませんから、ご注意ください。

 それはそれとして、判決の理由は筋が通っているだけに、実務上、非常に重要な判例であり、贈与税の課税を避けるために低額譲渡とみなされないようにするためには、まず、路線価を確認することが必須だと言えます

 また、別の問題ですが、譲渡人が購入した価額よりも低い金額で売却した場合(いわゆる赤字の場合)は、原則的に譲渡所得課税はありませんが、著しく低い価額で売ったものと判定された場合、この赤字がないものとされることになっています。

当事務所では、親族間売買全般についてのコンサルティングを行っています。ご相談は、根来行政書士事務所 電話番号077-554-3330まで!

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